足関節捻挫は、回復を焦るほど再発リスクが高くなるケガの代表格です。特にラグビーのような高強度競技では、正しい知識と段階的なリハビリが不可欠です。本記事では、捻挫の重症度別の回復期間、復帰の判断基準、そして再発を防ぐためのケアやトレーニング方法を徹底解説します。
捻挫の重症度別・回復期間
重症度別・回復期間の目安
捻挫の回復期間は、靭帯の損傷レベルによって大きく異なります。
|
重症度 |
損傷内容 |
主な症状 |
回復期間 |
|
Ⅰ度 |
靭帯の微細な損傷 |
軽度の腫れ・痛み |
約1週間 |
|
Ⅱ度 |
部分断裂 |
明らかな腫脹・皮下出血・歩行痛 |
2〜4週間 |
|
Ⅲ度 |
完全断裂 |
強い痛み・関節不安定・歩行困難 |
6〜8週間以上(場合により手術) |
回復を遅らせるNG行動
- 痛みが引いただけで練習再開
- ストレッチ・リハビリをしないまま復帰
- アイシングや固定を早期にやめてしまう
「もう大丈夫だろう」での復帰は最も危険です。捻挫は“治ったように見えても内部は治っていない”ことが多く、慎重すぎるくらいがちょうど良いのです。
競技復帰の判断基準とは?
競技復帰の判断基準
以下のような指標をクリアしてから競技復帰を検討しましょう。
- 歩行時痛が完全に消失している
- 片足立ちで10秒以上バランスが取れる
- ジャンプ動作→片足着地で痛みや不安がない
- タックルや方向転換で体が自然に動く
競技レベルやポジションによって要求される動作は異なりますが、最低限これらのチェックは必須です。
再発を防ぐためのリスク管理とケア
モビリティとスタビリティの回復
捻挫後は、以下の2つをバランスよく回復させることが重要です。
- モビリティ(可動性):関節の動きを取り戻す
- スタビリティ(安定性):関節がブレずに保てる状態
どちらかが欠けても再受傷リスクは高まります。
具体的なアプローチ
- 足関節の背屈・外反・内反運動のリハビリ
- 足底感覚の再教育(バランスボードや裸足トレーニング)
- 神経筋コントロール訓練(目を閉じての片足立ちなど)
- フォーム改善・再発ポイントの分析(整体施術とセットで)
症例紹介
大学ラグビー選手(ロック/20歳)
スクラム時に足が巻き込まれて高位捻挫を負った症例。
- 損傷靭帯:脛腓靭帯(Ⅱ度)
- 受傷後、3日間は腫れと圧痛が強く、足を着けずに来院。
- SPEC理論に基づき、体幹と下肢の連動を評価。
- 初期2回は関節周囲の調整を中心に施術。
- その後、バランス・片足スクワットなどのトレーニング指導を実施。
- 3週目にジョギング再開、5週目で実戦復帰。
→ “回復までの見極め”と“段階的な負荷調整”が再発防止の鍵となったケース。
まとめ
捻挫の回復は「時間が経てば治る」という単純なものではありません。靭帯損傷のレベルに応じた対応と、復帰判断のチェックポイント、再発を防ぐリスク管理までを含めた包括的ケアが必要です。
次回は、「足関節捻挫を防ぐためのセルフケアとトレーニング方法」について詳しく解説します。
▶ 捻挫の全体像を一気に知りたい方は、[保存版まとめ記事はこちら]( https://pcsrf.com /blog/20251009-3090/)
【保存版】ラグビー選手の足関節捻挫対策マニュアル|原因・対処・予防まで徹底解説(https://pcsrf.com /blog/20251009-3090/)
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