ラグビーで多発!足関節捻挫の原因と起きる瞬間を解説

query_builder 2025/10/09

ラグビーにおける足関節捻挫は、方向転換や接触プレーが多い競技特性上、頻繁に発生します。特に「内反捻挫」は全捻挫の中でも最多。本記事では、ラグビーで起きやすい捻挫の種類、発生のメカニズム、怪我の瞬間に体内で何が起きているのかを、競技特性と照らし合わせて詳しく解説します。


ラグビーで起きやすい捻挫の種類

内反・外反・高位捻挫の違い

ラグビーはタックルやスクラム、急な方向転換が頻繁に発生するため、足関節への負荷が非常に高い競技です。その中で多く見られるのが以下の3タイプの捻挫です。



捻挫のタイプ

特徴

主な受傷動作

内反捻挫

足首が内側にねじれる(外側靭帯損傷)

着地ミス、急なターン

外反捻挫

足首が外側に反る(内側靭帯損傷)

外からの接触や踏まれた時

高位捻挫

脛腓靭帯が損傷

足が固定された状態での回旋やねじれ

中でも内反捻挫は約80%以上の割合を占めるとされており、ジャンプ後の着地失敗や、接触プレー中に足を取られた際によく見られます。



芝の状態・スパイクとの関係

足関節捻挫の発生には、競技環境も大きく関係します。

  • 湿った芝や雨天時のグラウンドでは、踏ん張った際に滑ってバランスを崩しやすい。
  • スパイクのスタッドの長さやグリップ力によっても、足首への回旋力が増し、捻挫リスクが高まる。

つまり、技術やフィジカルの問題だけでなく、「環境と用具の選択」も重要な予防因子になるのです。


捻挫が起きる瞬間の身体内部の変化

靭帯損傷のメカニズム

足関節は、本来ある程度の柔軟性をもっていますが、想定外の方向や力がかかったとき、靭帯がその力に耐えきれず損傷します。

  • 靭帯とは?
    足関節の骨と骨をつなぎ、関節の安定性を保つ役割があります。

捻挫は「関節が正常可動域を超えて動いてしまった状態」で、靭帯が伸びたり、裂けたり、最悪の場合は完全断裂に至ります。


Ⅰ度〜Ⅲ度の分類と症状

重症度

靭帯損傷の状態

症状

回復目安

軽度の伸張

軽い腫れ・違和感程度

1週間

部分断裂

腫れ・皮下出血・歩行困難

24週間

完全断裂

強い腫脹・不安定感・激痛

68週間(手術要検討)

特に度以上になると、関節の構造的な不安定性が生じ、再発のリスクが一気に高まるため注意が必要です。


実際の症例(ポジション別)

高校ラグビー選手(17歳・ウイング)【スピード型】

  • 発症状況:サイドライン際でステップ後にバランスを崩し、右足を内側に捻る。
  • 診断:右足関節度内反捻挫(前距腓靭帯の部分断裂)
  • 施術前:歩行時痛が強く、松葉杖で来院。
  • 施術後:初回施術で松葉杖なしで歩行可能に。階段昇降もできるまで改善。数日後に炎症が軽減し、4週目で実戦復帰。

早期対応と整体施術の連携で予後が良好に。


大学ラグビー選手(20歳・ロック)【接触型】

  • 発症状況:スクラムで転倒し、右足がスパイクに引っかかる形で高位捻挫発症。
  • 診断:右足関節高位捻挫(脛腓靭帯損傷)
  • 施術前:腫れは軽度だが、歩行時の違和感が強く、競技復帰に不安あり。
  • 施術後:可動域と安定性が改善し、数回で実践トレーニングに復帰。3週で接触プレー再開


  • 「軽症に見える高リスク捻挫」への正確な対応が奏功。


社会人ラグビー選手(24歳・スクラムハーフ)【俊敏型】

  • 発症状況:急停止ステップで左足首を強く内反。
  • 診断:左足関節度内反捻挫(部分断裂+骨挫傷疑い)
  • 施術前:松葉杖使用、熱感と圧痛が強く可動域制限あり。
  • 施術後:初回施術で歩行可能、階段昇降も3日後に回復。2週目よりボールワーク再開。


施術+日常動作改善指導により、パフォーマンス回復も早期実現。


捻挫を放置するリスクとは

関節不安定性と慢性化の問題

一度捻挫をしてしまうと、関節を支える靭帯の弛みや神経の伝達異常により、足首の安定性が損なわれることがあります。

この状態が続くと、

  • ふとした日常動作でも再捻挫する
  • 足の力が入りづらい
  • ジャンプ・方向転換で「不安」を感じる

といった症状が慢性的に出る「慢性足関節不安定症」につながります。


一見軽症でも侮れない理由

  • 腫れが少なくても、内部で靭帯が損傷している可能性は十分あります。
  • 自己判断で放置すると、関節の構造自体が歪みやすくなり、ケガを繰り返す悪循環に。

特にラグビーのような高負荷・接触競技においては、「少しでも違和感があるならプレーを控える」くらいの慎重さが重要です。


まとめ

足関節捻挫は、ラグビー選手にとって避けて通れないケガの一つですが、その発生メカニズムや種類、放置のリスクを正しく理解しておくことが、将来的なパフォーマンス維持・競技継続の鍵となります。

次回は、「捻挫直後にやるべき正しい処置法と整体による初期対応」について詳しく解説します。

捻挫の全体像を一気に知りたい方は、[保存版まとめ記事はこちら]( https://pcsrf.com /blog/20251009-3090/)


----------------------------------------------------------------------

Physical Care's Room F

住所:山梨県甲府市東光寺町2113-29

電話番号:090-4453-2235

----------------------------------------------------------------------